2011年11月3日木曜日

しまつして、きばる

Nakamura-jibei

たとへ他国へ商内(あきない)に参り候ても、この商内物この国の人一切の人々皆々心よく着申され候様にと、自分の事に思はず、皆人よき様にとおもひ、高利望み申さず、とかく天道のめぐみ次第と、ただそのゆくさきの人を大切に思ふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通に心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候

(現代訳)
他国へ商売に出かけるときには、その国の人々がみな気分よく、商品を買って使えるように心掛けること。自分のことばかり思うのではなく、皆のことを考えて、高い利益を望まず、損得は天の恵み次第と考えて、その国の人々を大切にすること。こうした心がけによって、心安らかになり、健康を得ることができる。常々、神仏を厚く信心するとともに、他国へはいるときには、まず第一に、以上のことをよく心がけよ。

二代目中村治兵衛「書置」(宝暦4年(1754年)、二代目中村治兵衛が15歳の養子宗次郎にあてた書簡)より

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