2010年8月23日月曜日

「美と暮らし」を読んで。

美と暮らし―ギャルリ百草
美と暮らし―ギャルリ百草

今、これからのビジネスで通用する人材になるための勉強会「ピンチはチャンスのビジネス塾」を多治見で行なっている。このビジネス塾では、これから必要な8つのスキルを学んでいる。特に、重視していることが「共感」「調和」「デザイン」「物語」「遊び心」「生きがい」といった創造性の分野である。


創造性について学び始めていると、これまで見落としていた「余白」に気づかされるようになってきた。古民家をギャラリーとしている「ギャルリ百草」には、そんな「余白」がいくつもあります。実際に企画展を見たときに感じた「なぜ、ここにこんなものが置いてあるのか?」「この空間はナンなのか?」といった疑問がこの本でさりげなく説明されていて、美術館の中で眺める芸術の楽しみ方ではなく、生活の中にある「美」を楽しむスタイルを築いて欲しいという安藤夫妻の思いがいっぱいです。

この「美と暮らし」の中には、安藤夫妻の、伝統的な日本の暮らし方の中で育まれた「芸術の楽しみ方」がたくさん詰まっています。光と影、「ケ」「ハレ」「ケガレ」といった習俗、家の中にある「結界」・・・まるで御伽噺のような、それでいて懐かしい・・・そんな空間が表現されていることに気づかされます。そして、もっと嬉しいことに気づかされました。それは、こんな素敵なギャラリーが、多治見市にあるということ。安藤夫妻と同じ時代人である、という幸運です。

小手先のマニュアルやテクニック本では得られない、そして、洗脳式のやり方では得られない、物事の本質、自分が何者であり、何処へ行こうとしているのか、という人生への問いかけを再び思い返させてくれる空間が多治見にあるのです。そして、この「美と暮らし」は安藤夫妻とギャルリ百草が語りかけてくれる物語を、あらためて、そして、深いところまで理解できる「解説本」なのです。この「解説本」は、マニュアル本ではありません。こういうふうに楽しめ!という押し付け説教本でもありません。

昔から日本人が見て、聞いて、感じていた「暮らしの中の芸術」を、この現代社会でも楽しむための安藤夫妻による「物語」なのです。この物語ときちんと向き合っていきたいと思います。




ギャルリ百草 安藤雅信氏から学ぶ こころとかたち~感性を磨く~
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週刊 ダイヤモンド 2009年 4/25号 [雑誌] 源氏絵物語 本物の絵と声で楽しむ日本の古典
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